知っておきたい不動産用語「値こなし」という言葉について

こんにちは、不動産のお父さんです。

本日は、知っておきたい不動産用語として「値こなし」という言葉について解説したいと思います。

目次

簡単に説明すると、「売却依頼を受けている物件の価格を下げる事」です。

不動産売却を依頼する際には、大抵の売主様は査定価格よりも高く売りたいと思うものですし、

不動産営業マンも実際の査定価格よりも高く提案しています。(*詳しくは下記リンクをご覧下さい)

不動産売却を頼んだけどなかなか売れない<査定価格釣り上げ合戦の被害者>

高く提案している査定価格から何度「値段」を「こなす」かを想定している。

営業数字の優秀な営業マンほど、売却査定の依頼を受け査定書を作成している段階から、

① 実際の査定価格よりもどれくらい高く査定価格を設定し、

② そこから売却開始価格をどのくらいの価格で提案し、

③ 成約に至るまでに何度、「値こなし」が必要で

④ その「値こなし」のタイミングはいつ頃か

これらの事を既に考えています。

具体的な数字に落とし込むと以下のようなイメージです。



実際の査定価格 =  3000万円

査定書の査定価格 = 3300万円

売却開始の提案価格 = 3580万円

(*この時点で、実際に売れるであろう価格と売却開始の提案価格に約600万円もの開きがあります)

想定値こなし回数 = 2回

当初売り出し価格    = 3580万円

1度目の値こなし後価格 = 3380万円

2度目の値こなし後価格 = 理想は3180万円だが、3280万円を落とし所と考えても可

3180万円からは100万円程度の指値を想定、

最終成約価格が3050〜3080万円におさまるであろう想定



上記はあくまでイメージの一つですが、このような形で成約までのイメージを頭の中で作っています。

1度目の「値こなし」の際に営業マンが言うセリフ例



「いや〜、ちょっとチャレンジ価格でしたね、

このままこの価格にしていても、なかなか難しいので、一度値段を下げましょう。


100万円単位の価格変更ですとインパクトも少ないと思いますので思い切って200万円下げましょう。


それでもまだ査定価格よりは上なので、ちょっと様子をみる形にはなると思います。」



(他の売主様も価格を下げる時には100万円単位で下げてくる事を伝え、同じ足並みだとインパクトが弱い印象を説明する)

(200万円下げてもまだ査定価格よりは上だという事で売主様に価格を下げる事への抵抗感を緩和させるような印象を与える)

2度目の「値こなし」の際に営業マンが言うセリフ



「なかなか具体的な話しをもってこれず申し訳ありません。


他に弊社で依頼を受けている物件も苦戦しているようで、若干最近マーケットが停滞気味かもしれません。


インターネットの閲覧件数も減ってきているので、ここで売却の為の最後の勝負に出たいと思います。



価格についてなのですが、最後の勝負という事で200万円下げて一気に集客を募りたいと思います。



いかがでしょうか? 



先日もお話ししたように、やはりこのクラスの物件となると100万円単位の値段変更だとあまり目立たないと思うんです。


ここは最後の勝負だと思っていますので、何卒よろしくお願いします。」



(*この提案の時点で査定書の査定価格より低い金額で売り出すことになるが、その事については一切触れない)

仲介業とは物件を高く買ってくれる人を見つける事ではないです

しつこいですが大抵の売主様が、できれば高く自分の不動産を売却したいと願っているものです。


売却を依頼する会社も「この会社なら高値で買ってくれる人を見つけてくれそう」という、「基準」を重要視して選んでいらっしゃると思います。


当然その他にも「この人ならトラブルなく信頼して任せられそう」と「人」に焦点をあてて依頼されている方もいらっしゃいますが、


ここで、重要なのは実は仲介業とは

「物件を高く売る事を業とする」仕事では無いという事です。


高く売れた方が手数料も多く頂けますし、「良い事」ではあるかもしれないですが、


しかし、仲介業を本当に理解している営業マンはあくまで自分たちの仕事は仲介(なこうど)をする事。だと理解しています。


あくまで、売主様と買主様の間に入り、折り合いをつけ、お互いに満足のいく取引ができ、トラブルなく終えられるように努める事が仲介業の本質です。


なので、相場よりも高く買主様へ買わせた結果、買主様の満足度が低くても「良くない」ですし、


相場よりも安く売主様へ売らせた結果、売主様の満足度が低くても「良くない」です。


あくまで「お互いに満足できる取引」ここを目指すのです。


なので、仲介業とは何を取り扱っている仕事なのかというと、表面上は物件を取り扱っているのですが、


その本質的な部分では物ではなく、人の心を取り扱う仕事なのです。


当初は高く売りたいと思っている売主様の心を汲み取り、意向を受けつつも、

それだと成約に繋がらない為に「値こなし」を行い、

安く買いたいと願っている買主様へ相場に適した物件となるようにできうる限り調整し情報を提供するのが仕事です。

「値こなし」そのものが悪い行いという事ではない

先にも書いてきたように、「値こなし」という行為自体が「悪いもの」という事では決してなく、


あくまでも売主様の気持ちを汲み取り、できうる限りの意向に沿ってあげつつも、

「不動産相場」というある程度客観的な値段の基準へ落とし込んであげる気持ちと現実のギャップを少しづつ埋めてあげる作業
の事を指します。



仲介業とは人の気持ちを理解できる人でないと務まらない、大変なお仕事です。

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