こんにちは、不動産のお父さんです。

築年数が相当経過した、実家を相続したんだけど、住む予定も無いし売却したい。建物付きでそのまま売却する事は可能なの?
本日はこのようなご質問に応えたいと思います。
この記事の信頼性として、
わたくしこと不動産のお父さんは、10年以上大手不動産仲介会社に勤務。
退職するまでに関わった契約は1000件を超えています。
そんな、実践と実績を残してきた営業マンから、教科書的な事ではなく、より
実務目線でのリアルなアドバイスを行いますので、ご参考になればと思います。
結論:築年数が古くても「リノベーション」という選択肢で物件を探しているニーズが一定数あります、まずは不動産業者へ相談しましょう。

物件を探しているお客様のニーズは様々。
土地を探しているお客様
中古戸建を探しているお客様
軽度のリフォームを行う事で住める家を探すお客様
リノベーションの素材となる古家を探すお客様 etc…
築年数が経過した上物(建物)付きの不動産を売却する場合、上記の内、
リフォーム・リノベーション素材となる古家を探しているお客様が一定数いる為、戸建てとして売却できる可能性も充分にありえます。
戸建として売却できるかどうかの判断基準
一般に、昭和56年6月以降に建築確認という審査を受けている物件であれば、新耐震基準に適合している物件と見られ、この年代を境に、耐震基準が大きく変わっています。ここを建物が利用できるかどうかの基準点として考える事は、1つのアイディアになります。が、それが全てではないです。
現在のリフォーム技術であれば、旧耐震物件でも素材となりえる。
年々リノベーション技術は進化しており、例えば昭和40年代、50年代前半の旧耐震の建築物でも
場合によっては新築と同等、もしくは建築基準法が定める耐震性能以上に仕上げる事も可能です。
後はそのような改修ができうる物件なのかどうかの判断が大事ですが、ここはやはり専門家の判断になると思います。
専門機関での調査例としては
現状のコンクリート基礎の強度を測定する。
現状の水平具合の調査を行う etc….
建物に傾きがあってもある程度補正でいける部分はあるのですが
程度を超えているとやはりリノベーション素材としては成立しない可能性があります。
調査の結果、建物が使用可能である(リフォーム・リノベーション素材としての販売成約の可能性が大いにある)場合には戸建として販売する。
建物が素材として不適合であれば、土地として売却するという選択肢になるかと思います。
リフォーム・リノベーション素材として売却する場合にはあくまで契約形態は「戸建」という扱いになります。この場合、原則売主様の売買契約上の責任として契約不適合責任を追わなければなりません。しかし、この契約不適合責任については買主様との交渉において免責とする事が可能です。
噛み砕くと、
売主「あくまで土地にしか価値はないと判断して売却してます。建物を修繕して使用するのは買主様の自由ですが、建物に不具合があっても責任はとりません」というスタンスをとるイメージです。売却後のトラブルに巻き込まれない為にも、契約不適合責任は免責とするように交渉をしたほうがよいでしょう。
また、土地で売却するという方向に定まりましたら、次に考えるべき事は以下の通りです。
(1) 建物を解体してから売却する。
(2) 買い手が見つかってから解体する。
(3) 買主様で解体して下さいという方法をとる。
それぞれのメリット・デメリットを説明していきます。
(1)建物を解体してから売却する。
メリット
- あらかじめ更地にしてしまう事で、検討顧客が実際に現地を見た時の印象が良くなる
- 建物の管理義務が無くなる
- 放火などの犯罪トラブルに巻き込まれる心配がなくなる。
デメリット
- 売却前に初期費用として解体費用が必要となる。
(2)買い手が見つかってから引き渡しまでに解体する。
メリット
- 解体費用の目処(不動産の売買契約)がたってから作業を依頼するので資金の心配が軽減される。
デメリット
- 販売活動中は上物(建物)があるので、購入検討顧客が現地を見た際に、なかなか新築のイメージが沸かず、更地であるよりも好印象にならない可能性がある。
- 防火等の犯罪トラブルの防止の為にも空家を管理しなくてはならない
(3)買主様で引き渡し後に解体して下さいという条件とする。
メリット
- 解体費用がいらない
デメリット
- 買主様から解体費用分(場合によっては手間賃)を含めた価格交渉の可能性が高まる。
- その他、(2)のデメリットがそのままあてはまります。
売主様自身で建物解体を行う場合には、その実施時期について注意しましょう。
理由:毎年届く固定資産税は、原則その年の1月1日現在の現地状況を基準に算出するのですが、上物(建物)がある事で土地の税額が本来の税額よりも安く設定されています。つまり、前年中に建物を解体し売却活動を開始、年を跨いでからご成約。となると、翌年の固定資産税が場合によっては数倍に膨れ上がった請求になる可能性があります。
この点はしっかりと不動産営業マンに相談しましょう。
上記選択肢の中から、売主様にとって高値且つ安心して売却ができる方法を選んでいけると良いのではないでしょうか。
【まとめ】

・築年数が古くても昨今の建築技術により「リノベーション需要顧客」はいる
・建物の状況を踏まえて、売主様にとって良い選択肢を考えましょう。
・選択肢を提案できる営業マンに依頼しましょう。
不動産のご売却に関するご相談はコチラの記事をご参考下さい。