こんにちは、不動産のお父さんです。
不動産の営業マンは、買主様へネット銀行の使用をおすすめしません。
理由としては、不動産営業マンにも、買主様にも、売主様にもデメリットが多いからです。
本日は、営業マンがなぜおすすめしないのか、その理由を詳しく解説したいと思います。
この記事の信頼性として、
わたくしこと不動産のお父さんは、10年以上大手不動産仲介会社に勤務。
退職するまでに関わった契約は1000件を超えています。
そんな、実践と実績を残してきた営業マンから、教科書的な事ではなく、
より実体験を通じたリアルな現場の状況について記載します。
ネット銀行利用はデメリットが目立つ

・売買の契約を行ってからやっと審査ができる
これを初めて知った時にはとても驚きました。
ネットバンク系の住宅ローン審査は、なぜか売買の契約が完了してからじゃないとそもそも審査ができないというところが多いのです。
営業マンサイドからすると、

審査落ちたらどうしてくれるの?
と聞きたいぐらいの対応なのですが、おそらく、銀行側からすると、
「審査が落ちたら契約を白紙解除にすれば良いじゃない」
という事なのでしょう。これが大きな問題点。
不動産売買の契約においては、買主様が住宅ローンを利用する場合、
事前に銀行からの融資承認(事前審査承認)を得て、資金の担保についてある程度信用を作ってから契約するのが通常です。
万が一契約したにも関わらず、資金の用意ができず最終残金を支払えないとなると、
大きなトラブルに発展してしまう可能性があるからです。
確かに、契約書内容において、
住宅ローン本審査否認時には、契約書を白紙解除できるとする特約(特別な約束事)
を結ぶ事もできますが、それはあくまで本当に最後の手段として利用できる約束事。
もっと言うなら、売主様サイドの気持ちとしては、

「本審査が否認になるかもしれない人と初めから契約させないでくれ」
というのが本音です。
至極ごもっともな意見で、せっかく契約して引渡しまでの準備をしていたのに白紙解除となると、
売主様の機会損失が多大になってしまいます。
これは避けなければなりません。(最近では、売買契約書<案>でも良いとする銀行も出てきましたが)
司法書士指定が多い
不動産の引き渡し時には、残額の支払い(残金と言います)と同時に
所有権の移転という登記手続きを司法書士が行います。
また、住宅ローン借入の為の抵当権設定登記も司法書士が同時に行います。
大抵の場合、司法書士は営業マンの紹介で選任させる事が多いですが、この抵当権設定登記については、
ネット銀行指定の司法書士にさせる事を条件としている銀行が多く、
正直、営業サイドからすると困ります。
なにが困るのか?
・所有権移転登記と抵当権設定登記で司法書士がバラバラになる事でやりとりが面倒くさい。
・そもそも買主様も司法書士が2人になる事で報酬額として費用がかさ増しされてしまう。
・契約者本人からの問い合わせにしか対応しない
「契約者本人からの問い合わせにしか対応しない」これが一番やっかいかもしれません
不動産営業マンが代理で問い合わせできない。
審査の状況を知りたくてもできない。
必要書類の確認がしたくてもできない。
日程調整がしたくてもできない。
これらの確認事はどれもとても大切な事なのですが、営業マン自らタイムリーに確認できない。
あくまで買主様を通じてになってしまう為、営業マンも買主様もストレスを感じてしまう。
当然、買主様にとってのメリットもありますが
・人件費が削減されている分、金利が安い
情報を見ていると、やはり金利は安いですね。
・特典に魅力が多い
住宅ローン契約に特典としてクレジットカード利用時のポイント掛け目が数倍になるとか。
営業の現場では、ローンの第一候補にはさせない

あくまで契約上の第一候補は都銀や地銀の信頼できるところにすえる
買主様がネット銀行系を利用したいとおっしゃる場合、大抵営業マンはこのように答えます。

「ネット銀行を利用するのは全く問題ありませんが、あくまで契約の後ろ盾は弊社で提案する銀行にして下さい。 ネット銀行の審査が通らないから購入しないという考えであれば、お申込みはお断りさせて頂く場合があります。」
「というのも、ネット銀行はそもそも契約が完了してからじゃないと審査ができない事もあり、審査の信頼性もまだ高くないです。」
売主様の利益を損なう可能性がある。
おそらく、ネット銀行はあくまで融資機関なので買主様の向こうに売主様がいるという事までは考えつかないのでしょう。
不動産売買は、あくまで売主様の了承を得て物事が進みます。
契約が完了してからじゃないと審査できない。
という時点で売主様が納得する訳ないです。
まとめ

買主様自身でネットバンクを利用し不動産購入を進めていくのは全く問題無いですが、
保険として各営業マンが斡旋する住宅ローンも平行して手続きを進めて下さい。
また、不動産購入についての詳しい流れを知りたいという方は以下の記事をご参考下さい。
不動産購入手続きの流れと必要書類について